いかにまとまりのない映画がダメなのかを証明した


「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」はエンターテイメント映画の名作だった。

アンチディズニーの私ですらその出来栄えに感動してしまったのを覚えている。

映像の迫力、セットの規模、俳優、音楽、すべてが申し分のないできだった。中でもとりわけ素晴らしかったのは、序盤からたくみにはられた伏線とそれを綺麗に使い切ったラストだろう。

見事に綺麗にまとまった映画だった。しかしこのデッドマンズチェストでは、なぜかその綺麗さの片鱗すらみあたらない。

典型的なグダグダムービーになってしまっている。

なぜだ?理由は簡単だ。2と3を一緒に続き物として製作したために、すべての結論を3にまわしてしまっているのだ。そのせいで何一つ解決のしない映画になってしまっているのだ。

上映時間は2時間50分もあるくせに、ジャックを始めとした登場人物たちはみな右往左往するばかりで一向に物語は進行しない。しかもこのデッドマンズチェストのラストでやっと序盤が終わった感じで、すべてはこれからで終わってしまう。まったく壮大なる予告編を見せられているようなものだ。そして3の公開は一年後ときている。まったくどうかしている。

結局この映画を観るのなら、一年後がベストだろう。3の公開日直前にDVDのレンタルでもして見てから、3にいくのが一番満足度が高いんじゃないんだろうか。


規模は前作以上だし、俳優陣は相変わらずいい感じなのだから、もっとざっくり切って2と3を合わせて3時間とすれば、きっと歴史に残るアクションエンターテイメントになったのではないだろうか。


ああ、まったくなんとももったいない話だ。